【風のマジム】 原田マハ
「誰だって知らないことを始めるには勇気がいるさ。やしが(だけど)、やってみればわかるもんじゃあないのかな。へえ、だーる(なるほど)こんなふうだったのか、って」
初めてのことは、もちろん自分がやったことのないことで。当然、怖さを感じる。
ワクワクを感じるなら、それはGoのサインなんだよね。
怖さがあってもなくても、それでもやりたいのだったら、進んでみればよい。
初めてが上で、ルーティンが下、なんてことはないし。
無理に進む必要もないけど。
進めばわかる。
失敗だって、失敗だったという結果があるだけ。
おばあと一緒に飲んだラムに魅せられて、沖縄産のうちなーラムを造るために奮闘する伊波まじむの物語。
まじむは沖縄言葉で、「真心」と書く。
名前通りのひたむきな情熱と、一歩一歩の努力によって、国産ラム「風のマジム」が完成する。
もちろん夢の実現には、資金繰りだったり採算性だったりも必要だけど、
やっぱり人とのつながり、笑顔を忘れず前に進む力なのかなぁって思う。
そしてそれは、すべて自分の中に既にあるわけだ。思い出すだけ。